意識をむけてみるといろんなものが見えてきますよね。お酒とオンガクが好きなサラリーマンが綴る、意識の向けどころページです。お仕事の息抜きや、お酒の肴にどうぞ。


by dasauso
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バッハ・コレギウム・ジャパンを率いる鈴木雅明さんが対談で書いていた言葉で目からウロコ。

そう!そういうことなんですよ!!

昨日はマーラー、今日はベートーヴェン、明日は《ブランデンブルク協奏曲》というふうにしてしまうと...
見えなくなってしまうんですね。《ブランデン...》の一番と二番の差、これは何もかも違うはずなのに、バッハとマーラーの差を比べたら、とうぜん一番と二番の差の大きさは見えなくなってしまうでしょう。こういう関わり方というのは、なんか人生をつまらなくしてしまうんじゃないですか?


そう。ブルゴーニュを徹底的に飲む、たまに飲み比べる愉しみというのは、そこにあるのだと思います。土地《テロワール》の違いが醸し出す微妙な味の違い、あるいは、作り手によるクセの違いなど、奥行きのある、飲みがいのあるお酒だから、じっくりと味わってみたいのです。

ブルゴーニュとボルドーの違い、ブルゴーニュとイタリアの違い、そういうことよりも、面白い発見がたくさんあるはず。

曲によっては、パッとわかるもの、つまり「これは面白い、いい曲だ」と思わせる曲もありますよ。でも、それだけで終わってしまっては、なんだかつまらないですよね。そこを、たとえばカンタータの作り方がどういう風に変遷していったかということなどを仔細に見始めると、無限に面白くなる。     (以上、『バッハからの贈りもの』より)


よく、音楽とお酒とのアナロジーで、ものを考えますが、まさにこういうことだと思います。おなじ作曲家の曲を聴きくらべる、おなじ曲を違う演奏家で聴きくらべる。(自分で歌うとさらに発見があるのだが...)そういう楽しみがお酒にもあります。



新幹線の帰り、同僚さんとのブルゴーニュ談義にて。

「dasaさんは、イタリアワインは飲まないんですか?」

「いえ、飲みますけど、たまに。イタリアンレストランとか。でも、最近ウチではブルゴーニュばっかりだから、自分で狙って買うことはないですねぇ。」


このとき、うまく説明できなかった魅力はこういうことでした。イタリアを飲むときは、これまた徹底的にイタリアの地域別、地域内の飲み比べをして楽しむことでしょう。イタリアはまだ入門していません。まだまだ楽しみは山ほど残っています。


表面、ひとくち目も美味しいが、じっくり食べるとなお美味しい!!
食べ比べるとさらに発見がたくさん!!

あトンスィオン!

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by dasauso | 2007-09-24 22:39 | オンガク編
歌っている方が気持ちよくなければお客さんも気持ちよくなく、歌っている方が楽しくなければお客さんも楽しくもない。

だからめいっぱい楽しんで歌いました。たいへん幸せでした。



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なんといっても今日はこのびわ湖ホール。1800人がホールを埋め尽くします。このホールに声を響かせられると思うと、ぞくぞくします。舞台から客席は、こんな風にみえるんですよ。


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これからリハーサルです。大フィルのコンサートマスターとして活躍した岡田英治さんがこのオケでもコンサートマスターです。写真はモーツァルト用の編成だから、オケの楽器の数は少ないですが、このあとブラームスになると楽器の人数が増えるとともに、チューバやティンパニ、ハープも入ってきます。

リハーサルで頑張りすぎると、本番を前に喉がへたってしまうことがあるので、気をつけねばなりません。それでも、このホールを前にすると、自然と身体が鳴らしはじめてしまいます。セーブ、セーブ。


さて、本番です。4人のソロとともに、五味指揮者が現れました。

モーツァルトのミサ・ブレヴィスは軽快に。Gloriaが響き、Credoもスリリングに進んだ。でも、客席と自分たちとの間をはかるのには、まだ慣れていない感があるかなー。ウォーミングアップではないんだけれども、20分が終わる。


ちょっとデブった楽器をやすめて、ふたたびホールへ。さて、ドイツレクイエムだ。


指揮者が構える。    息を呑む。

無垢のキャンバスに筆をおろすように、コントラバスとホルンが静寂の中に音を挿す。おお、そこにブラームスがいる!

”Selig sind, die da Leid Tragen”  「悲しんでいるものたちは、幸いである」

オケと合唱とが音の衣を織りなします。

「涙をもって種蒔く者は 喜びの声をもって刈り取る」

その響きがびわ湖ホールにしみわたるようです。


第2曲、ベースのきかせどころがやってくる。き、きもちいい。

第3曲、バリトン藤村さんのなめらかなソロのあと、壮大なフーガが響き渡る!!

休憩中「今日はあっさりブラームスで行きます」と言っていた指揮者ですが、どうしてどうして、ゆったりしっとりじっとりねっとりと響かせるようなので、フーガの最後の音符(フェルマータ)の手前で息を継ぐことにする。やはり拍はのびました。やった。きもちいい!!


第4曲、前日の練習では合唱団が破綻していたのだが、難なく神の麗しきをたたえる。

だんだんと幸せな気持ちに。そしてあつかましいことなんですが、この1800人の聴衆は自分のために来てくれているのだ、などと思えてきます。そして、80人の合唱や50人のオーケストラ、ソロも指揮者も、自分のために伴奏してくれている!なんと有難いことよ!!

かなりあぶないんですが、こんな具合です。


第5曲、菅さんのソプラノが響き渡ります。母がその子を慰めるように...合唱はエネルギーを再充電。

第6曲、死との対峙!そして、主をたたえながらの大合唱が終わり、大好きな終曲、「Selig sind die Toten 死んでいるものは幸いである」。正確にはこの1週間で練習しまくって好きになった曲。

はじめてCDを買ったときには全く親しみ持てなかったこの曲が本当にいとおしく思えます。

「...いやだなぁ。もうすぐ終わりだ。」

というのは、ラフマニノフを弾いていた千秋真一(のだめ)が言っていたことですが、まさにそんな気分です。


さいごのSelig...おわった...

幸せでした。みなさん、ありがとう。


舞台袖に引き、団員さんたちと握手を交わします。今回ほど、心から握手できたことはありません。隣のポジションで歌っていた上手なお兄さんから「隣にいてとても歌いやすかったよ」と言って貰ったのも、とても嬉しいことでした。



遠路足を運んで頂いたみなさま、有難うございます。演奏はどうだったか、わかりませんが、またCDを客観的に聴いてみようと思います。お付き合わせをさせてしまいまして、すまないことですが、何よりも本人が一番楽しませていただきました。この場を借りて御礼申し上げます。
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by dasauso | 2007-09-18 23:38 | オンガク編