意識をむけてみるといろんなものが見えてきますよね。お酒とオンガクが好きなサラリーマンが綴る、意識の向けどころページです。お仕事の息抜きや、お酒の肴にどうぞ。


by dasauso
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久助

少し前の話、妻と近所の街へ散歩に出かけた。散歩となると、いつも酒蔵やお菓子屋など必ずどこかに寄り道してしまい運動の効果が薄まってしまうのだが、今回はひいきの煎餅屋に立ち寄る。と、ラッキーなことにその日は「久助」の販売日であった。

かつて合唱演奏会の出演本番をキャンセルして臨んだ診断士の二次試験で、煎餅屋の事例として久助に関する問題が出題された。ということで、私を含め診断士同期にとってはたいへん思い出深い、縁のある商品である。

ちなみに久助とは、煎餅等の製造過程で割れや曲がり等が発生して、通常の商品として販売できないものであり、それを「われおかき」などと名づけて販売するものだ。クズになる商品を、久助葛にかけて、こう呼んだことに由来する。これが服なら、B級品、アウトレットモール行きといったところだろう。

なかには、久助を自社のブランドからは販売せず、われ煎餅を専門に扱うような業者に売っているケースもある。その場合、専門業者は、いろんな銘柄を混ぜて販売している。こういうのは、お菓子のディスカウントショップに行けば手に入るだろう。

試験ではたしか、贈答用煎餅で知名度を上げているある煎餅屋が工場脇で久助を販売することについての是非を論述することが問われた。私は久助を販売すべきという内容の回答を書いたが、経営には複雑な状況と因果関係があり、そのなかの判断には絶対の正解はない。回答では施策とその根拠を論理立てて説明できればいいのであり、販売すべきでないという結論も当然ある。

久助について例を挙げてみても、様々な思惑がある。
不良品がでてしまう。捨てるのがもったいない。安く売れば、捨てるよりはまし。そもそも味は同じ。自家消費用として売れるだろう。しかし、売れるとすると正規品が売れなくなるのでは。ブランドイメージも下ってしまうのでは。別ブランドにするとどうか。来店頻度が上がるならよいのでは。売る範囲を限定すればどうか。と、こういう具合である。
もっともこれは売り方(マーケティング)の話であり、製造側としては、そもそも不良品の率を下げる(「歩留まりを上げる」)努力が必要である。

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さて、立ち寄った店では、現にこの久助(割れ煎餅と、それとは別に無選別として二種類を販売している。この日は無選別。)は大人気であり、ご覧のとおり完売御礼の札が上がる状況である。久助の販売は店舗オンリーで、販売日は不定期なため、次回の販売日はいつなのかという問い合わせが殺到するようである。(現に、久助ファンの私も店で尋ねた。)

北海道にもごっついアウトレットモールができた。けっこうな繁盛らしい。消費期限が厳密でない衣料品の場合は、B級品だけでなく、過剰在庫品や季節遅れ品も扱われるのだが、どうもわざとアウトレットモール行きの商品をつくってるのでは...と思えるフシもある。

こういう状況をみていると、「久助を販売することにより、単価は下るが、来店者数の増加が期待できる。積極的に進めるべきだ。」などという論があっさりと通ってしまいかねない状況である。が、ブランドの行方はいかがなものか。
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by dasauso | 2005-05-06 22:28 | ニチニチ編